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留学・国際交流

ナンヤン理工大学 Rさん(法学部)

2018年2月

後期の授業が始まり、約一ヶ月が経ちました。シンガポールは現在、Chinese New Year (2月16、17日)を控え、街全体がお祝いムードに包まれています。
今回は私の受けている授業について報告したいと思います。前期よりも単位を増やし、4つの授業を取っています。

① Globalization & World Englishes

社会言語学の授業です。各国の英語の違いやシングリッシュ(シンガポール訛りの英語)に焦点を当て、英語によって統一されていく社会のかたちや、国によって異なる英語の文法や単語、そして生じる問題点について学びます。シングリッシュや他の国の英語についてシンガポール人がどのような意見を持っているのか、直接聞くことができる機会はなかなかないですし、英語のノンネイティブである自分がどのようにして英語を使って現代社会を生きていくかを考えるきっかけにもなり、とても勉強になります。もし私が、アメリカなど英語が第一言語である国に留学していたとしたら、シングリッシュはじめ、ノンネイティブが話す英語やその問題点について目を向けるきっかけがなかなかないと思うので、その点ではシンガポールという環境にすごく感謝しています。リーディングの量が多かったり、グループプレゼンテーションが控えていたりと少し大変ですが、しっかりついていけるよう頑張ります。

② Fashion & Design: Wearable Art as a second skin

基本的な服の作り方や、服で自己表現をする方法について学ぶ、少し珍しい授業です。一人一人オリジナルの服を製作し、最終的には全員で1つの展示会を開きます。まずアジアNo.1の大学にこのような授業があることがとても興味深く、また日本では時間や場所、設備、機会がないとなかなかできないことだと思ったので取りました。

③ Research & Practice in Performance Art

高校の頃総合舞台芸術の団体に所属しており、日大新聞学科に入学するきっかけともなった“表現”、“舞台”を学びたく取った授業です。全ての授業の終わりには、個人のパフォーマンスを発表する予定です。教授の方が、厳しくも優しく、直球で意見を言ってくださり、時々心が折れそうになりますが、毎回刺激を与えていただいています。

④ Korean Language Level 1

以前から興味のあった、韓国語の授業です。ローカルの子達と同じスタートラインで学べる授業なので少し安心感があります。自分にとって第二外国語である英語を使って、また他の言語を学ぶということは初めてなので、とても新鮮です。韓国人の留学生に先生となってもらい、ローカルの子達と一緒に韓国語の会話表現を学ぶKorean Language Programというものにも参加しています。
 
このように、ナンヤン理工大学は“理工大学”ではありますが、文系も理系も、さらに美術系の学部もあり、すべての学部で内容の濃い授業を展開しています。選択肢がとても広く、取る授業に関してはかなり自由度が高いので、交換留学先の大学を選ぶ上では、どの学部の方にもお勧めできる大学です。
残りの留学期間も楽しんで生活できるよう、頑張ります。以下、写真になります。
 
日本でも人気のシンガポールの国民食チキンライス。学校にあるどの学食でも食べることができます。

日本ではありえないSPF130の日焼け止め。
アジア最大の航空ショーである、Singapore Air Showにて。
シンガポールにドンキホーテ一号店ができました。
夕日がとても綺麗な国です。

2017年12月・2018年1月

こんにちは。シンガポールは雨季に入り、日中でも25度くらいの日が続いています。想像できないかもしれませんが、30度に慣れてしまうと25度でも寒くて、鳥肌が立ってしまいます。
さて、8月に渡航してすぐに始まったセメスター1の授業が12月に終わりを迎え、しばらくゆっくりとした生活を過ごしていました。留学生は1セメスターのみの交換留学で来ている人も多く、仲良くしていた留学生たちやルームメイトが皆母国に帰ってしまい、しばし別れを惜しんでいました。
最後の授業の終わりに全員で撮った写真です。
次のセメスターが始まるまでは1ヶ月以上の休みがあったため、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシアへ旅行に行きました。
私はこれまでどちらかというと、英語圏のアメリカ、カナダ、オーストラリアやイギリスばかりに目を向けており、東南アジアの国に全くと言っていいほど興味がありませんでした。それにどちらかというと、「危なそう」「お腹を壊しそう」「汚そう」といったネガティヴなイメージばかり持っていました。皆さんの中にも、そのようなイメージを持たれている方も多いと思います。確かに、今回の旅では東南アジアの異色さを強く感じました。基本的に道は整備されておらず、水はけ設備がないため、雨が降ると少し歩いただけで泥だらけになります。また電線が切れていたり、信号がなかったりと、日本やシンガポールで生活しているときと全く違う生活水準なので驚くことも多くありました。しかし同時に東南アジアの、決まりに縛られないゆるい雰囲気、物価の安さ、人々のエネルギーや温かさ、美味しい食べ物(辛くないものもたくさんあります)などたくさんの魅力を発見しました。
素朴ながら味付けがしっかりしていて、感動しました。
フィリピンではタクシー、またはトライシクル(写真)と呼ばれる乗り物で移動していました。
今回訪れた発展途上国の国でも、英語で話しかけるとほとんどの人が英語で返してくれたため、日本人の英語への恐怖心を問題視する良い機会にもなりました。本当にいろいろな発見や収穫ができ、そして発展途上国への偏見のようなものもなくなり、行ってよかったと心から思いました。
日本はこれから春休みに入るところだと思いますが、シンガポールではこれから次のセメスターの授業が始まります。また気持ちを新たに頑張って行きたいです。

2017年11月9日

こんにちは。11月になりましたが、シンガポールは相変わらず暑い毎日を過ごしています。今回は、言語について最近感じていることをご報告できればと思います。シンガポールでは、日常的に街を歩いていても、様々な人種の方を見かけます。多民族国家で、本当に多種多様な文化や言語をお互いに尊重しながら受け入れることで、このシンガポールという国は成り立っているのだと感じます。逆にいうと、今年で建国52年の新しい国だというのもありますが、“シンガポール独自の文化”というものがあまりない気がします。エンタメといえば西洋系や韓国のスターが人気ですし、街に東南アジアらしい汚さもありません。良くいえば、整備され秩序が保たれている、悪くいえば個性がない、とも言えてしまいます。しかし、様々なものを融合させてできたものがシンガポールの文化になります。そのため、時にはその融合性が、面白くとても個性的なものを作り出すことにもなると思うのです。私は、その1つがシングリッシュ(シンガポール訛りの英語)だと思います。シングリッシュの特徴は、RをLに置き換えたり最後のスペルを落としたりした独特な発音の仕方、中国語に似たとてもシンプルな文法、そしてマレー語や中国語からインスパイアされてできた単語などです。
正直私は、シンガポールに来るまで、訛りのある英語を話す国に留学する、ということに対しあまりポジティブなイメージが持つことができず、シンガポールに留学するにあたって、シングリッシュはやはり気になる点の1つではありました。実際、留学が始まってから1、2ヶ月は本当に聞き取れず、慣れるまでかなり大変な思いをしました。しかし、今はだんだん考えが変わってきました。たとえシンガポールの人がアメリカ人と同じような文法や発音で英語を話さないのだとしても、彼らは幼稚園の頃から学校では英語で授業を受け、西洋系の英語もちゃんと理解し、映画も字幕なしで理解するのだということを知りました。そして英語を話すということで大切なのは、アメリカ人のような美しい発音や文法ではなく、伝わるかどうか、語彙があるかどうか、そして自分が自分らしく英語を使いこなすことができているか、ということだと気付かされました。シングリッシュはシンガポールの文化だから、これは所謂シンガポール語で、英語の方言だから、と割り切って考えるようにすると気楽になりましたし、この国の文化を尊重したい!と思えるようになってきました。とにかく何事も前向きに捉えて、頑張っていきたいです。
もう1つ言語について記録しておきたいことは、店員さんは高確率で私に中国語で話しかけてくるということです。ホーカー(屋台)や学食の店員さんは、インド系のお店以外はほとんどが中華系シンガポール人の方です。
 こちらがホーカーの様子。駅や道端、ショッピングモールの中など至る所にあります。
シンガポール人は基本的にバイリンガルなので、英語以外に共通言語がある場合はその言語で日常会話を話している人も多く、特に年配の方々はその傾向が強い気がします。そのため中華系っぽい顔の日本人は、当然中国語が話せると思って話しかけてくるのです。日常的に中国語を使える場所があるということは、言語を勉強する上でとても大きなモチベーションになるので、次のセメスターでは中国語の授業を取ろうと考えています。
 
また、寮のハロウィンのイベントで、ダンスチームの一員としてパフォーマンスしたりとクラブ活動にも参加しています。
人間関係やカルチャーショックに悩みながらも、とても素晴らしい環境で毎日過ごしています。もうすぐセメスター1が終わり、セメスター2までの長い休みに入ります。テスト期間が近づき、プレゼンや課題提出のラッシュも来ているので、図書館だけでなく、寮ごとに設置されているReading Roomや、校内の机があるベンチには至る所に学生がいて、パソコンを開いたり教科書を広げて勉強したりしています。
貴重な留学生活、無駄のないように過ごしていきたいと思います。

2017年10月8日

シンガポールに来て、2ヶ月が経ちました。 私の留学しているナンヤン理工大学(通称NTU)は世界ランク11位、アジア1位というレベルの高い大学であるにもかかわらず、文武両道で、勉強にもクラブも力を入れる真面目な学生が多い印象です。シンガポール自体中華系、インド系、マレー系など多くの民族から構成されている国ですが、さらにナンヤン理工大学は4人に1人が留学生だということで、キャンパスは国際色豊かな雰囲気です。
シンガポールは赤道直下なのでとても暑いと予想していたのですが、湿気はすぐに慣れましたし、暑さも東京の夏に比べるとまだ過ごしやすいです。ただ、ものすごい雷とともにスコールが一気に降り出し、30分くらいで止むということがよくあるので、傘を持って外出しないと大変なことになります。
こちらに到着してすぐ授業が始まり、同時にビザの申請や履修登録をしなければならないのはかなり大変でしたが、やっと落ち着き、サークルに参加したり、旅行の企画を立てたりしています。面積が東京23区とほぼ同じという小さい国なので、学校は西の田舎の方ですが、東京のように電車も発達しているので1時間もあれば空港のある東の方まで簡単に移動できます。そのためサークルがない日は街の方に出て観光をしたり、他の留学生と遊んだりしています。
シンガポールという地理上、休みを利用し、近隣国に旅行へ行く人はとても多いです。私も先日、マレーシアに留学中の友達に会いに夜行バスでクアラルンプールへ行って来ましたが、陸路で国境を越えるという経験は初めてだったのでとても新鮮でした。
橋の先がマレーシアです。
日本愛好会(日本の言語や文化に興味のある学生が集まるクラブ)への参加や、日本語の授業のチューターも経験させていただいています。シンガポールは日本と同じアジアということもあり、日本に興味を持ってくれている学生が本当にたくさんいて、私が日本人だと知ると簡単な単語を話してくれたりします。日本に興味のある学生と触れ合う、というのは留学で私のやりたいことの1つだったので、できることができてとても嬉しく感じています。寮では中国人のルームメイトと生活しています。多くの学生が寮で生活するNTUでは、寮ごとのPresidentを決めるための選挙や、スポーツやダンスのチームがあったり、親睦を深めるためのディナーが開催されたりするため、寮ごとに深い絆があります。
授業の形式は日本の大学と全く違い、まずネット上で出席やファイルの共有、チャットで意見交換などをしながら授業を進めていくので、パソコンを持っていないと授業にさえ参加できません。また、課題といえば個人で進めるレポートがほとんどである日本に対し、こちらはGroup Assignmentが多く、グループを作り他のクラスメートと協力して進めていくというのが基本になります。
大学のオリジナルグッズや学部ごとのTシャツがあるのですが、学内でその展示をしていました。
大学はかなり田舎なので猿が住んでおり、たまにフードコートにも現れます。
英語を話さなければ生きていけないという環境に生まれて初めて置かれ、これまで経験して来た短期留学や普段の英語の勉強がいかに甘い環境だったか気付かされました。今ちょうど1セメスターの半分が終わり、Recess Weekという短い休みの期間に入っています。シンガポールの都市部には、駐在して働いている日本人の方も多くいるため、将来のビジネスチャンスを広げるためそのような方々にお会いする機会があれば積極的に参加しようと思っています。最近は、「非日常」だと思っていた留学生活が「日常」に変わっていく感覚がすごくあるので、「これは非日常だ」と言い聞かせながら、自分を律していきたいです。