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留学・国際交流

ナンヤン理工大学 櫻井直人さん(法学部)

2020年3月

11月にナンヤン理工大学の学部や授業形式についてお話したのですが、今月は、この1年間で自分が具体的にどのような授業を選択し、どのような事を学んだのかと言う事をお話ししたいと思います。分量的に多くなってしまうため、来月はこれらの授業での学びを通して、自分がどのように成長し、今後にどう活かすのかということについてお話ししたいと思います。

NIE(シンガポール唯一の教員養成学部)での授業

Curriculum design

この授業は文字通り、教員として1年間の教科指導のカリキュラムや、教科外活動のカリキュラムを考えるにあたり、役立つ主要な4つの教育学的理論を学び、それらを活用して自分の理想とするカリキュラムを構想する授業です。
この授業では、① student centered生徒主体のカリキュラム)(ex幼稚園・小学校、国際バカロレア認定校・課外活動等), ② academic discipline(教員が教えるべき内容や活動を決定するカリキュラム)(ex中学校・高校・大学の授業等), ③ social efficiency(社会に出てから役立つ能力を、授業を通して育成するカリキュラム)(ex専門学校や看護学部等), ④ social reconstruction(社会問題等について深く考え、教育を通してより良い世界を築いていく人材育成を行うカリキュラム)(英語科・地理歴史科・公民科等)の四つの理論を扱い、それをどこまでも深めていく授業であす。この授業を通じて、今まで考えていなかった様々な視点でカリキュラムを考えるようになりました。
私たちのグループはstudent centeredのカリキュラムの、国際バカロレア教育や幼児教育のカリキュラムに注目し、1時間のグループプレゼンテーションを行いました。
また、それらの知識を活かし、これからの時代に求められる社会科教育と英語教育の教科横断的なカリキュラム編成についてレポートを作成を行いました。
この授業を通じて、授業内外での生徒主体の教育活動を通じて生徒の資質・能力を発達させるために、教員主体でカリキュラムを構想する大切さ、そして様々な観点を意識して、目標に応じて臨機応変に異なるカリキュラム理論と活動を組み合わせ、カリキュラムを構想することができるようになりました。

Leaning environment for young children

教育学では、子供の成長には、第1に両親・第2に教師・第3に学習環境が大きな影響を与えると言われているのですが、この授業はその中でも学習環境がどのように子供の発達に影響を与えるのか、という事を主に学ぶ授業です。
私は日本の大学では中等教育を主に学んでおり、直接自身の専門分野に関係があるわけではありませんが、教育の本質を考えるに当たり必要であると考えこの授業を履修しました。
実際にこの授業では、教育理論を学ぶ際には、日本を含む世界中の幼児教育の学習環境や教育活動を題材に考察を行ったり、また実際に現地調査を行ない、それをレポートにまとめ、その上で自分の理想とする学習環境と教育活動を構想しグループ毎にプレゼンテーションを行いました。
この授業を通じて、あらゆる教育活動を通じて、子供の知的好奇心を刺激し、子供主体の活動を通して成長させる教育理論の理解・習得、そして実践的指導力を身に着けることができました。

最終課題でグループ毎にプレゼンテーションをした際の一枚です。授業では教育学的な理論をゼミナール形式で深く学び、実際にシンガポールの現地の保育園に訪問したり、離島地域における子供の学習環境を調査した上で、実際に自分たちで子供の社会性の発達?のためにカリキュラムと学習環境を構想しプレゼンテーションを行いました。
教授に思考のレベルが浅いと指摘され、1から作り直したりと大変な事も多々あったのですが、最終的には現地の学校現場に提案できるレベルだと教授に太鼓判をいただくことができました。アクティビティやカリキュラムはもちろんですが、展示物や教具も自分たちで作成したため非常に大変でしたが頑張ってよかったと思えます。

Teaching social studies to secondary students

この授業はシンガポールの中等教育学校で社会科教員として勤務するにあたり必要な技術や理論を学ぶ授業です。日本の社会科教育は教師主体で知識注入的な授業実践になりがちですが、この世界一の教育水準を誇るシンガポールの教育方法を学びたいと思い、この授業を履修しました。
この授業は毎回グループワークとプレゼンテーションが求められ、内容も非常に難しくついていく事が出来ず、3時間何も発言出来ずにただ悔しい思いをして過ごす期間が1ヶ月ほど続きました。自分は日本で教育実習も含め、ほぼ全てのカリキュラムを終え自信はあったのですが、やはり世界1位の教育水準を誇る国で尚且つ世界トップランクの大学というレベルの高さに何も出来ずただただ圧倒されました。しかし毎日深夜1~2時まで勉強した甲斐もあり最後には何とか授業についていけるようになりました。その時の感動は私にとって一生の財産です。
この授業は従来の教員主体で知識注入的な社会科教育のカリキュラムを、21世紀の時代に求められる資質・能力の育成に重点をおいた授業実践方法について学びます。シンガポールでは今後、Source based study(様々な与えられた資料から生徒が既習事項を踏まえて分析し・思考・判断・表現する学習活動)・Case based study(特定の国や問題を題材にさらに理解を深めていく手法)の二つを特に意識して授業実践を行うように徹底して教員養成をしており、教育理論を学ぶ事はもちろんですが、実際に自身でカリキュラムを構想し、グループ毎に発表する活動を通して、次世代の社会科教育に必要な指導技術を習得する事ができました。

Introduction to the teaching and learning of secondary history.

この授業は社会科教育の中でも歴史教育に特化した授業です。
実際に歴史教育を行う際には、どのような観点で題材を選び、どのようなアプローチで授業を行い、どのような基準で評価を行い、どのような理論をベースに自分の指導を生徒の成長につなげる事が出来るのかという事を非常に深く考える授業です。
授業では毎回理論を学び、そして実際に英語で社会科の授業を実演したりプレゼンテーションを行うなど実践面に非常に重きを置いた授業です。
公民科の教育法と同様に歴史教育でもやはり、Source based study やCase based study、そして inpugre based study (探究学習)が大切であり、その実践的な指導法を学びました。
また、なぜ歴史を学ぶ必要があるのか?どのように学ぶ事で歴史的思考力を身につける事ができるのかという基礎的なところから理解を深め、生徒主体のプレゼンテーションやグループワークをする際にはどのような教育理論を用いて、どのような事に配慮する事で21世紀型の能力を身につける事ができるのかという事を学びました。

社会言語学系の授業

私は将来的に英語の教員免許の取得も目指しており、実際に英語教育に関係する勉強がしたいと考えこの分野の勉強もしています。
また実際に世界1位の教育水準を誇るシンガポールではどのような方法で知識の習得を行ない、どのような基準で評価を行い、どのような課題で生徒の発達を目指すのか、という実践的な教育方法を体感したいと考え授業を履修する事にしました。

Mind & meaning

この授業は人間の言語のみならず、動物の言語についても考察することで、「言語」というものの本質について考える授業です。
例えば、人間の言語習得について考える際には、脳のどの部分がどのように機能しているのかという事を学んだり、赤ちゃんから青年期までの成長過程に注目し、どのように人間は言語を習得・発達させていくのかという事を学びます。
また、人間と動物の言語の違いについて考える際には、チンパンジーは人間の言語を習得出来るのか?・猫や犬はどのように音を組み合わせて意思疎通を図っているのか、など様々な視点から考察することで、多面的・多角的に「言語」について理解を深める事が出来ました。

language in society

この授業は言語がどのようにその社会に影響を及ぼすのか?また言語がどのようにその個人のアイデンティティに影響を与えるのか?という事を学ぶ授業です。例えば、バイリンガルになれば意見や価値観の異なる他者への寛容性は身につくのか、方言はどのようにアイデンティティに関わっているのか、同じ英語話者でも民族や人種によってどのように違いが生じるのか、など様々な視点から社会における言語の役割について理解を深めました。

bilingualism & Multilingualism studies

「バイリンガルになるには、幼少期からの英語教育が絶対に必要なの?」「大人になってから英語の勉強を始めたら喋れるようにはならないの?」「才能がなくても、英語は話せるようになるの?」「どうやったら英語を話せるようになるの?」など、皆さんも一度は疑問に思った事はあると思います。
この授業は、そのような疑問に対して様々な視点から考察していく授業です。結論から言うと、「大人になってから勉強をしても英語を話せるようになる」そうなのですが、具体的には、何歳までに、どのような教育を行う事でより効果的に発達が期待できるのか。またバイリンガルになった際に実際に自分のマインドや考え方がどのように変容するのか、というような事を学びました。

2020年2月

早いもので、留学生活も残すところあと3ヶ月になりました。そのため、留学生活に悔いがないよう、授業内,授業外での活動も楽しみつつ、頑張りたいと思います。留学生活を充実させるため、また英語力や自身の専門性を向上させるためには日頃の授業の充実はもちろんのこと、課外活動での充実もまた必要不可欠になります。今月はナンヤン理工大学の学内で取り組んでいる課外活動と、学外で取り組んでいる課外活動の2点に分けてお話をしようと思います。

学内での課外活動に関して

学内での課外活動は、ボランティア活動講演会やフォーラムへの参加の2点に特に力を入れて取り組んでいます。まず、ボランティア活動に関して、日本でも1年間行なっていた日本語教育支援ボランティアをシンガポールでも引き続き行なっています。日本語教育支援とは文字通り、日本語を母語としない方々に対して、日本語を教えるボランティアです。ナンヤン理工大学では日本人留学生の割合が非常に低いのですが、日本語を学びたいと思っている方が多くます。彼らは毎回楽しみつつ日本語を学ぶ事ができています。
このボランティアを始めたきっかけは、私がケンブリッジ大学に短期留学をしていた際に、多くの現地の学生が、英語も拙かった当時の私の英語の話し相手になってくれ、様々な所に遊びに連れていってくれたりと、本当に感謝してもしきれないくらい良くしてくれたためです。今度は自分が外国の方に対して、同じ事をしてあげたいと考えシンガポールでも引き続き行なっています。長期の海外ボランティアを通じて世界中の友人と仲良くなる事ができ、また異なる価値観や多様な文化に多く触れることができるため、教員を目指す方はもちろん、長期で留学をされる方にもおすすめです。
 
また、ナンヤン理工大学では毎週のように世界中から著名な方々が来てくださり、様々なトピックで講演会やフォーラムを行なっているのですが、ナンヤンの学生はそれらに無料で参加する事ができます。例えば、この約1ヶ月の間に私が参加させて頂いたものですと、ノーベル賞受賞者のお2人による講演会、コロンビア大学の教授による教育に関する講演会、シンガポールの省庁の方々によるフェイクニュースに関するフォーラム・次世代の教育に関するフォーラム、オランダの教授によるA Iに関する講演会、気候変動に関するパネルディスカッションなどで様々な特別講演会やフォーラムに参加する事ができます。
このように自分の専門に関する勉強はもちろんですが、専門分野以外の勉強をしてみることで、英語力の向上はもちろんですが、普段では気づかない新しい発見も多くあります。

学外での課外活動に関して

学外での課外活動に関しては、現地調査学校施設の訪問教員向けの研修会や学会での運営スタッフのボランティア活動の3点に取り組んでいます。これらは主に自分の専門分野を高めるための活動です。日頃の大学内の学習を充実させるだけでは理論面や理想論に寄った考えになってしまうため、実際に現場での経験や課題も踏まえて、改めて考える事でより深い理解につながります。
 
具体的には、保育園への施設訪問、中学・高等学校への施設訪問、離島部における児童の学習環境の現地調査、社会科教員向けの研修会や学会への参加、中高生の歴史教育コンペティションの運営ボランティア、フィールドワーク研修への参加、教育セミナーや講演会の参加などに取り組んでおり、学内での学びと実際に現場での経験の両方を結びつけて理解・習得する事を大切にしています。また、民間の就職活動の説明会や講演会の参加、キャリアフォーラムなどへの参加など就職活動にも意欲的に取り組んでいます。このように、ナンヤン理工大学の留学中は、大学内外のあらゆる活動を通して、自分を大きく成長させるチャンスが多くあり、自身の積極性・行動力と努力次第でいくらでもやりたい事が実現できると思います。そのため、将来の夢や留学を通してやりたい事があるのであれば、とにかく自分から積極的に行動し、様々な人に協力してもらいつつ、自身の目標や夢に向かって一生懸命頑張って欲しいと思います。
お好み焼き粉がなく、代わりに韓国のチジミ粉を使用したらチジミっぽいお好み焼きができました笑。お好み焼きの未来を見た気がします。
韓国人の友人達が韓国で流行りのチーズ・キムチ・チャーハンを作ってくれました。今まで食べたチャーハンの中で一番美味しかったです。手料理が世界で一番!
手巻き寿司を作って食べました。具材はサーモン・エビ・卵・きゅうり・ツナ・そして何故かプルコギ笑。
このように皆でよく集まりご飯を食べたり、遊びに行ったりしています。前期は「英語力を伸ばしたい」と日頃の勉強に励んでいたのですが、あまりspeakingが伸びず、ストレスも溜まっていたため、後期は「英語で楽しもう!」と考え、このように友人と楽しむオフの時間も大切にしています。その甲斐もあり,speakingやlisteningが更に向上したような気がします。親しい友人とであれば、間違えたり恥をかいた事もいい思い出であり、全てが自身の成長の糧になります。
留学中は大変な事も多々あり、特に教員採用試験との両立が非常に苦しく、プレッシャーで潰れそうになる事、泣きたくなる事、投げ出したくなる事も多々あるのですが、このように多くの友人との楽しい一時があるからこそ、頑張れていると思います。是非皆さんも楽しみつつ、充実した留学生活を送ってください!

2020年1月

留学中の目標と授業の選び方

留学中の授業を選ぶ基準にも色々あると思いますが、私は「留学中の目標」を最初に考え、それを達成できるような授業を選ぶとよろしいかと思います。
 
例えば私の場合では、この一年間の交換留学を通じての自分の目標は大きく分けて二つあります。一つ目はやはり「英語力の向上」です。社会科教員なのに英語って必要なの?と言われることも多々あるのですが、科目に関わらず、一教員として、私はできた方が生徒のために出来る事が大幅に増えるため必要であると考えています。社会科教員として日々の授業や課題等で海外のメディアやソースを活用する事や、それらを踏まえて形成した自分の意見や作品等を世界に向けて発信する際に英語力は必須条件になります。また、私は将来的に機会があればIB認定校(国際バカロレア認定校)でも働いてみたいという思いがあるため、オールイングリッシュで生徒主体の社会科の授業を実践できることは必須条件になってきます。さらに私は、近い将来英語教員の免許も取得したいと考えているため、この留学ではSpeaking, Listening, Writing, Readingの英語四技能全てを伸ばし、バイリンガルになりたいと考えています。そして、交換留学終了後の在学中の目標としてCELTA(Certificate in English Language Teaching to Adults)やTESOL(Teaching of English to Speakers of Other Languages)などの国際英語教師の資格を取得したいと考えているため、「英語力の向上」は留学をするに当たり一番の目標として設定しました。
 
二つ目は、「教育学的理論と教育学的アプローチに基づいた授業実践をできるようにする」という事です。少し難しい話になってしまいましたが、これは教育実習の際に私の恩師から指摘して頂いた自分の弱点であり、私の現在の課題です。私は大学時代に法学部での日々の学習はもちろんですが、他学部での授業履修、塾講師のアルバイトや教育に関するボランティア、学会や各種研修会への参加、また教員採用試験用の予備校も3校を活用するなど、一年生の頃より日々自分の理想とする教員になるために様々な事に積極的に挑戦し、自己研鑽に励んできました。そして教育実習ではそれらの学びも生かし、生徒が今後社会人として生きていく上で必要になる資質や能力を育めるよう、生徒主体の活動を多く取り入れた授業実践を行ないました。しかしながら、発問の仕方・ICTの効果的な活用方法・探究課題や作業課題の作り方・参考記事の選び方・評価の基準・効果的な授業の展開方法など、明確な学術的な教育理論に基づいているわけではなく、大学レベルの知識と、自身の経験と感覚をベースに授業を行ってしまっている事を指摘して頂きました。
そこで、このナンヤン理工大学では、教科に関する専門的な内容よりも、教育方法や教育理論に重きを置いた授業を履修する事にしています。詳しくは後述しますが、NIE(教員養成学部)の授業では全ての授業がゼミナール形式であるため、毎回各自で英語の論文等を熟読した上で授業に臨む必要があり、授業ではその際に生じた疑問や意見をさらに深めていくような学習が主流で、教育方法や理論の部分を非常に深く学ぶ事が出来ています。このように大変な事も多々ありますが、一年間の交換留学を通じて、英語力の向上学術的な教育理論と教育方法を理解・習得し、それらを自分の授業実践に反映させるという目標が達成できるようこれからも頑張りたいと思います。
一教員志望者として、シンガポールに来る前から熱望し続けていたのですが、先日同じ授業を受けている友人と、シンガポールの公立中学校・高校を訪問させて頂いた時の一枚です。
授業では教育理論などを深く学んでいたのですが、学校の教育現場では実際にどのようにそれらの理論を活用し、授業実践に活かしているのかを見学した方が良いと、友人が協力してくれ、実現できた経験です。実際に世界最先端の教育を誇るシンガポールでの学校施設の見学授業見学、そして現場の先生から外国語教育を行う際のコツなども教えて頂くことができ、非常に貴重な経験になりました。学校内での日々の勉強はもちろんですが、学校外での現地調査活動や教員向け研修会や学会等への参加、そして今回のような現場訪問など、後期も自分から積極的に行動し、自分の理想とする教員になれるよう頑張りたいと思います。

2019年11月

皆さんこんにちは! 留学生活も約3ヶ月が経過し、シンガポールでの生活や授業にもかなり慣れてきました。現在は前期の期末試験を目前に控え、非常に忙しくはありつつも、充実した日々を過ごせており、日々自身の成長を感じる事ができています。ここにきた当初は、こちらの教育レベルの高さにただただ圧倒されるばかりでしたが、最近はそれらの技術や手法を吸収し、自分からも議論やプレゼンテーションにおいて積極的に発言ができるようになりました。さて、交換留学を志している皆さんは志望校なども決まり、実際に今後勉強したい事などを考えている時期かと思います。そのため、今回はナンヤン理工大学の授業に関してお話したいと思います。

ナンヤン理工大学の授業について

ナンヤン理工大学の授業に関してですが、学部によって授業形式や生徒の雰囲気が大きく異なります。9月の記事でも述べたのですが、理工大学という名前であっても、実際は総合大学です。そのため理系学部はもちろんですが、社会学部などの文系学部や、芸術系学部、ビジネススクール、またシンガポール唯一の教員養成学部などもあり、幅広い分野を学ぶことができる環境であると思います。
基本的に授業は1回が3時間の授業構成となっており、2時間の講義形式の授業を受け、知識や理論を学び、その後に1時間のチュートリアルと呼ばれる、学んだ事を踏まえディスカッションやプレゼンテーションなどの学生主体の活動を行う、というのが一回の授業の流れになります。しかしながら、教員養成学部など学部によっては3時間全てゼミナール形式の授業になる事もあるため、授業を履修する際にはその点も考慮した上で、自分に合う授業を選ぶ事ができます。また、大学のレベルが非常に高く、生徒の学習に対するモチベーションも非常に高いため、事前課題や提出課題などは日本と比べると非常に多くを要求されます。そのため、1つ1つは非常に大変なのですが、乗り越えた時には大きな達成感と自身の成長を感じる事ができます。
私は現在5つの授業を履修しているのですが、大学の課題や教員採用試験の勉強に追われ、毎日深夜の1時くらいまで勉強をし、休日を返上して勉強しなければならない日も多々あります。後で知った事なのですが、現地の学生も5〜6つの授業履修が一般的であるため、実際には日本の留学生は、前期は2つ、多くても3つが適切であると言われているそうで、授業履修の際にはその点も考慮して履修を組むと良いかと思います。また、私が履修している5つの授業のうち、3つがNIEという教員養成学部の授業を受けており、他の2つは社会言語学系の授業を履修しております。

NIEの授業について

NIE(教員養成学部)の授業は基本的に全ての授業が少人数のゼミナール形式で、毎回の予習課題はもちろんですか、それに加え、50分間のプレゼンテーション課題・レポート用紙7枚分のレポート課題・50分授業×数回分の模擬授業案の作成と実践課題などが毎週のように課せられます。また、量が非常に多いだけでなく、クオリティが非常に重視されるため、留学を開始してからの二ヶ月半は、数日かけて作成したにも関わらず、一から全て作り直しになるという事が毎回のようにありました。やはり世界トップランクの大学では、思うように上手くいかず、落ち込む事も多々ありますが、多くの友人にグループワークで引っ張ってもらったり、教授には毎回の授業後に30分近く質問に答えて頂いたりと多くの方々の支えのおかげで何とかついて行けています。彼らの善意を無駄にしないためにも、前期も全力で頑張りたいと思います。具体的に自分が履修している授業の内容などについては来月報告したいと思います。

これはシンガポールの国立博物館の写真です。二日間に渡りここでシンガポールの歴史科教員向けの研修会が行われたのですが、NIEの教授や友人の紹介のおかげで、運営スタッフのボランティアとして私も参加させて頂きました。シンガポールはもちろんですが、アメリカ・オーストラリア・日本など世界中の教授を招き、未来のシンガポールの歴史教育についての研修が行われていたのですが、シンガポールの教育のレベルの高さを改めて体感しました。あらゆる教育の分野で世界一位を獲得し、国民の大半をバイリンガルに育てるなど、これだけの実績を残しているにも関わらず、生徒の成長のために現状に決して満足せず、常に上を目指し成長を続ける姿勢は自分の理想そのものでした。「社会科教員でありながら、オールイングリッシュで授業を実践できる英語力、そしてICTを効率的に使いこなし、確かな教育理論に裏打ちされたアクティブラーニングを完璧に実践できる授業力、学問として社会科の内容全体を非常に深い所まで理解し、生徒の反応や理解度に応じて臨機応変に知識を使い分ける高い専門性と知識量、外国人を含む誰に対しても寛容で常に思いやりを持って接する事のできる人間性、そして現状に満足せずに常に上を目指し続ける向上心」と自分の理想の教師像を体現した多くのシンガポールの先生方にお会いする事ができ、非常に良い影響を受けました。残りの留学期間で今まで以上に頑張る事はもちろんですが、自分が教員になり定年退職を迎えるまでに約40年間と時間あるので、その40年間をかけてこのレベルに到達したいと教員になってからの目標もできました。このような一生に一度の貴重な機会を与えて下さったNIEの教授や友人に感謝の気持ちでいっぱいです。

休日に遊びに行った時の一枚です。マーライオンと記念にパシャリ。

2019年10月

皆さんこんにちは!
ナンヤン理工大学に交換留学をさせて頂いている、法学部法律学科4年の櫻井直人です。交換留学を希望している皆さんは、ちょうど今頃が志望校を決める時期かと思います。そのため、今回は皆さんが留学先を決める際に参考になる情報などを、自身の経験なども踏まえお伝えしたいと思います。そこで、今回はシンガポールでの生活・シングリッシュ(シンガポールの英語)を中心に述べようと思いす。

シンガポールの生活とシングリッシュについて

シンガポールの気温や天気

シンガポールというと熱帯雨林気候のため、年中暑く雨が常に降っているようなイメージがあるかと思います。確かに年中暑いのですが日本の夏ほどではありませんし、基本的に室内はどこでも冷房が効いているため、1日中外で過ごす場合を除き、あまり暑さを気にする事はありません。また現在は乾季という事もあり1週間に1~2回程度、短時間強い雨が降ります。

シンガポールの生活費

生活費に関してなのですが、シンガポールの物価は日本より少し安い程度であり、決して安いとはいえないのですが、ナンヤン理工大学は国立大学であるという事もあり、大学内の寮費、医療費、食費、その他生活費などは格安だと思います。しかしながら、やはり金銭面で不安のある方もいらっしゃるかと思います。私も実際にそうだったのですが、私は現在、日本学生支援機構に毎月給付型奨学金を支援して頂いています。トビタテ!留学JAPANや日本学生支援機構など様々な奨学金制度があるようです。皆さんで調べてみるのも良いと思います。

シンガポールの食事

大学内に食堂は何個もあるのですが、メニューが非常に充実しており、中華・和食・洋食はもちろんですが、韓国料理、インド料理・マレーシア料理・インドネシア料理など様々な国の料理を、1食200〜400円程度で楽しむ事が出来ます。私は節約のために毎日ルームメイトと自炊をしていたのですが、買った方が安いという事に気づき、忙しい時は食堂で好きなものを食べるようになりました笑。日本食なども格安で多くが揃っており、カツ丼や定食、カレーライスやうどんなど典型的な日本食はもちろんですが、たこ焼きや豚骨ラーメンなども揃っており食事面で不満があるという事はありません。留学中は慣れない環境で思うようにいかず、何度も落ち込む事はありますが、美味しい食事のおかげで日々頑張る事ができています。

シングリッシュ

留学を希望する人なら誰でも一度は考えるであろう「訛り」に関してなのですが、私は交換留学先を決める際にはあまり気にしていませんでした。何故ならば、「訛りを気にするのはバイリンガルになってからでも遅くない」と考えているからです。実際に日本から留学をする学生は毎年約6万人といますが、本当に英語が流暢に喋れるようになる人はそれほど多くありません。そのため訛りを気にするよりも、自分にその環境が合うか否かの方が重要であり、「自分が頑張れる環境を選ぶ事」が最も大切であると考えています。
確かにシンガポールの英語はシングリッシュと言われる事もあり独特の訛りはあります。また、ナンヤン理工大学は学生の30%が留学生という非常にインターナショナルな環境であるため、自分も含め留学生の多くが、それぞれ多少の訛りはあると思います。しかし、ここに集まる生徒の大半はバイリンガルかそれ以上のレベルであり、そのレベルになると多少の訛りがあっても皆問題なく会話をする事が出来るため、訛りによってコミュニケーションが全く取れないというような状況にはならないかと思います。
もちろん留学の目的が英語の勉強であるならば、アメリカ北部やイングランドの方が適しているかとは思いますが、留学の目的が学問なのであれば、訛りを気にし過ぎず、自身の目的に適した環境を選ぶと良いかと思います。

最後に

現在この記事を読んで下さっている方の多くは交換留学試験の直前かと思います。不安や大変な事も多々あるかと思います。そんな皆さんに一つだけお伝えしたい事は、「自分に言い訳をせず、自分なりに最後まで頑張り切ることが出来たか否かが合否の別れ目になる」ということです。「サークルや部活が忙しい、アルバイトが忙しい、大学の授業が忙しい、資格試験の勉強が忙しい」など、人によって違いはあるものの、皆何らかの困難があると思います。
実際に去年の私もそうでした。サークル、アルバイト、資格試験の勉強、教員採用試験の勉強、法学部の勉強と教職課程の勉強、それに加えて交換留学の試験勉強もしなくてはならず、非常に忙しい日々であり、日本大学に入学をしてからあまり遊んだ記憶がありません。正直辛すぎて何度も挫折しそうになりましたし、弱音もたくさん吐きました。交換留学試験のための勉強時間も中々確保出来できず、何度も「やはり自分には無理かもしれない」と思う事は何度もありました。しかしそのような環境でも「最後まで自分に言い訳をせず、自分にできる最大限の努力をしよう」と心に決め、アルバイトの休憩時間や食事の時間、移動時間などの隙間時間を使って日々英語の勉強に励みました。その結果、第一希望であるナンヤン理工大学の交換留学生に選んで頂き、あらゆる努力が報われた気がしました。私がここまで頑張る事ができたのは、私を支えて下さった多くの方の支えと、「自分の理想とする教師になり、生徒達に学ぶ事の楽しさ、世界の楽しさ、そして頑張る事の大切さを伝えたい」という目標があったからだと思います。
皆さんは今本当に苦しい時期だと思います。自分には無理なのではないかと思ってしまう事もあるかと思います。しかし、最後まで皆さんの目標の実現のために、自分にできる最大限の努力をし、合格を掴みとって欲しいと思います。あと少しの努力で、全てが報われる瞬間がきっと来ると思います。留学は想像以上に辛い事も多くありますが、想像以上に嬉しい事や楽しい事もまた多くあります。一生に一度の経験だと思うので、悔いの残らないよう、精一杯頑張って下さい。

同じ授業を受けている友人達とボランティア活動をした時の一枚です。(左が私です。)

この日はシンガポールの中学生・高校生の学術コンペティションがあり、そこにボランティアとして運営に参加させて頂きました。生徒達が自信を持って多数の大人の聴衆にプレゼンテーションをしたり、ホームページを開設し自分の意見を世界に発信したり、教授からの質問に対して堂々と答えていたりと、シンガポールの教育の質の高さ、アクティブラーニングやICT教育の重要性、そして「教育の可能性」を体感する事ができました。この一年間の交換留学を通じて、英語力の向上はもちろんですが、必ずシンガポールの教育方法や教育理論を習得して帰りたいと改めて強く思うようになりました。

2019年9月

皆さん初めまして!シンガポールのナンヤン理工大学に交換留学をさせて頂いている法学部法律学科4年の櫻井直人です。私は将来教員を志しているということもあり、このレポートを通じて、交換留学を志す後輩はもちろん、そして教員を志す後輩にも自身の経験を、少しでも参考にしてもらえればと思っています。
今回は、シンガポールの特色や、なぜ数ある留学先の中からナンヤン理工大学を選んだのかといった事をお話したいと思います。

シンガポールを選んだ理由

皆さんは留学というと、どの国を思い浮かべるでしょうか?大半の方はアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・フィリピンなどを思い浮かべるかと思います。実際に私もシンガポールのナンヤン理工大学に来る前に、イギリスに1ヶ月、カナダに3ヶ月ほど語学留学をしていました。そんな中、なぜ私がシンガポールを選んだかと言うと「教員になるために世界で一番理想的な環境だから」と考えたからです。そのように考えた理由として以下の三つが挙げられます。

1、世界一の教育水準

シンガポールの教育は現在世界で一番進んでいると言われています。実際にOECDのPISAという生徒の学習到達度を調べたものがあるのですが、その全ての分野でシンガポールが一位を独占しています。またそれだけでなく、シンガポールは言語教育も非常に進んでおり、国民の大半がバイリンガルであるという、教員を志す私としては非常にシンガポールという国自体に対して非常に魅力を感じました。
また、シンガポールでは、今後の日本の教育が目指している「アクティブラーニング」や「ICT教育」が日常的に実践されています。そのため、実際に授業では自身の専門性を高める事はもちろんですが、どのようにICTを駆使すれば、より効果的な授業が実践できるのか、どのような授業構成をすれば、生徒の主体的・対話的・深い学びが実践できるのかなど、教員を志す上で非常に参考になることばかりです。

2、世界トップランキングの大学

さて、では何故私がシンガポールの中でもナンヤン理工大学を選んだのかというと、自信を持って生徒たちの前に立てる教員になるために「人生最大の挑戦をしようと決意したから」です。ナンヤン理工大学は世界トップクラスの大学で、QS世界大学ランキングの2018年版では世界11位アジアで首位に選ばれています。学生のレベルも授業のレベルも非常に高く、苦しい事も多々ありますが、世界で最も教育が進んでいる国で、世界トップレベルの環境で一年間頑張ることで、実践的な指導力と高い専門性を身につけたい、そして生徒達の前に自信を持って立てるよう頑張りたいと思いナンヤン理工大学に留学する事を決めました。
また、「文系なのに理工大学に行くの!?」と驚かれることがよくあり、実際にこの記事を読んで下さっている皆さんもそう思っている方が多いかと思います。私の両親からも驚かれました笑。しかし、ナンヤン理工大学は理工大学という名前ですが、実際は総合大学です。理系学部はもちろんですが、文系学部、ビジネススクール、教員養成用の機関などもあり、世界中から多様な背景を持つ学生が、それぞれの学問を更に追求するために集まっています。

3、インターナショナルな環境

シンガポールという国家は多民族国家です。公用語も英語・中国語・マレー語・タミル語の四つです。それもあってか、外国人である私に対しても偏見などもなく非常に優しく接してくれています。また、ナンヤン理工大学の学生の30%は留学生で、授業やイベントなどでは世界中の学生と交流する事ができ、世界中の学生と各国の教育政策について討論したり、共にスポーツで汗を流したりと非常にインターナショナルな環境で生活を送っています。また、私のルームメイトはオランダ人なのですが、毎日一緒に夕食を作り、休日には遊びに出かけるなど、苦楽を共にし、お互いに支え合う事で、多くの困難を乗り越え非常に充実した日々を過ごす事ができていると思います。このような環境で培った経験や思い出を、いつか自分の生徒達に伝え、少しでも外の世界に目を向け、異文化に対する理解を深めるきっかけになってくれたらと思い、日々頑張っています。

ルームメイトのオランダ人と、同じ寮のインドネシア人の友人と日本のカレーライスを作って食べた時の一枚です。食事を通じて日本の食文化や美点を伝えたいと思い、皆で作って食べました。慣れない調理道具と食材でトラブルもあったのですが、非常に喜んでくれました。