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留学・国際交流

アヴィニョン大学 こもり きえ (法学部)

2018年4月4日

ホストファザーの誕生日会にて、ホストファザーとマダムとのスリーショット。
誕生日ということで、日本で買ったカレンダーと調理グッズをプレゼントした。

時間がサマータイムに変更されたことと日が延びたことにより、夕方8時でもまだ外は明るい。ここ最近風が強い日々が続いたが、ようやく春を肌で感じられるようになってきた。寒暖差が激しく、先月末は南仏で雪が降った地域もあるそうだ。アヴィニョンでは桜に似たアーモンドの花が満開になり、それを目にする度に日本を思い出さずにはいられない。しかしこのように花を見て、感銘を受けるのは日本人特有の感性といえるのではないだろうか。日本人のように長くから桜を愛で大切にする文化は、少なくともフランスには存在しない。だが、それに近いものと言えばバラ祭りがあることくらいではないかと思う。
4月に入り、私の留学生活も残すこと約2ヶ月となった。この長期留学の4/5が終わったと思うと、時間の流れの速さを感じる。より充実した留学生活にするために、この2ヶ月間どう過ごすか計画中である。
まず2月のことである。家から一歩外に出てみると、道端に設置されているゴミ箱が溢れかえっていた。それ以降ゴミは増える一方で、この凄まじい状態が約2週間も続いた。これはゴミ収集員の給与所得に対する不満が発端となって起こったストライキであった。2週間が経過したある日、ゴミ収集員たちは何事もなかったかのように働いていた。今回のストライキは今までのゴミ収集員によるストライキに比べ長期戦だったようで、一刻も早く終わることを誰もが望んでいた。結局どのように解決したのかは分からずじまいだった。

これがその時の様子である。家庭内のゴミだけでなく、店の廃棄物も2週間放置されていた。意思表明のために仕事を放棄するという考え方が私には理解することが難しかった。他にも方法があったのでは、と疑問に思う節があった。また、フランスのストライキはそれだけではない。4月から6月までの3ヶ月間にも及ぶストライキがちょうど始まったところである。フランス政府が公布した“大多数の公務員削減”に対するストライキだそうで、今回はTGVを始めとする(ローカル線や市営バス含む)交通機関、美術館や博物館などの公的建物、学校や医療機関までもが影響される。5日のうち2日は交通機関が平日土日関係なしに運休になる。これはフランスの住民だけでなく、外国人観光客なども巻き込んだ大々的なストライキである。またスーパーマーケットでは、人件費削減に対するストライキが起こっている。ストライキを行うのは自由だが、多くの人々に迷惑をかけることに対するお詫びというものが全くない。フランスで生活していて、フランス人の周りに対する気配りや配慮などは日本人の常識からして、欠如していると印象を受けることが多々ある。これも考え方や価値観の違いと言ってしまえばそれまでではあるが、人と人とが共存する中で大事なことだと私は思う。もしフランスに留学していなかったら、周りに対する気配りや配慮といった目に見えないこの大切さに、気付かなかったかもしれない。私にとって、当たり前だと思っていたことが実は当たり前ではなかったり、またはその逆だったり、フランスで生活してからそういったことの発見が多い。異国の地で生活するということは、無意識の間にも異文化理解をしているのかもしれない。

私はアヴィニョン大学で、アクティビティー(総合科目にあたる授業)と体育の授業、専門科目を履修している。アクティビティーと体育の授業は基本的に90分1コマである(教授によっては1コマ180分のところもある)。アクティビティーの授業は前期もとっていて興味深かったため、後期も履修した。日本の授業と同様、出席点と課題や試験の総合点で評価される。体育の授業は出席点が主に評価の対象になっている。私は今学期、合気道を履修している。先生を含め生徒も日本が好きという方が多い。先生から、日本語で書かれた合気道の段位取得証明書をフランス語に翻訳してほしいとの依頼があった。段位を取得できても長年解読できずにいた先生に、翻訳したものを渡したところとても感謝された。日本では正式に習ったことがなかった合気道をフランスで習うというのは少し違和感があるが、日本の文化を共有できるというのは嬉しいことである。合気道の心得や心構えをフランス人に教わるというのもとても不思議に感じるが、日本の文化を愛し伝導する先生からの教えはすんなりと自得することができる。
専門科目では、私は法律の授業を履修している。授業は主に180分で1コマとされ、日本の授業と同じように講義形式である。しかし、教授はプロジェクターを使わない上にレジュメもなく、口頭で解説していくのみである。それを学生たちは必死にパソコンの Word に書き込んでいく。そのため学生は皆ノートパソコンを大学に持参している。確かにノートに書き取っている余裕はない。私は授業を録音し、その場で出てきた分からない単語を書き留めるようにし、授業後にその録音したものを元に内容の理解に努めている。聞いたこともない単語のほとんどは法律専門用語であり、辞書なしでは理解することは難しい。追いつくのにとても時間がかかり、内容が理解できないところも増えてきて、諦めようかと悩んだことが何度もある。しかし国際交流センターの方々に何度も背中を押され、今では最後まで授業に出席してやり遂げようと考えている。留学する前から、専門科目の授業を取ることが私の目標の1つであったため、この目標を達成できたことは自分自身の成長に大きく繋がったと言える。
まず専門科目の履修のことについて説明していきたい。専門科目を正式に履修するためには、最低 DELF B1 の修了が義務付けられている。その後に、学部への所属と履修登録のそれぞれの手続きが必要であり、国際交流センターの担当者と学部長の方によって話が進められる。私はこの手続きに3ヶ月以上かかったため、今後アヴィニョン大学に留学をする方の中で専門科目の履修を希望するという場合には、留学が始まった時に話を進めておくことをお勧めする。

マダムの勤めている小学校にて、生徒と父兄を交えてloto(ロト)をした。また、アヴィニョン大学に短期研修に来ていた日本大学の学生達と、この小学校で折り紙教室を開いた。

私は現在、アヴィニョン大学の近くにある日本語学校の講師のアシスタントをボランティアで行っている。初級、中級、上級の3つのクラスに分かれていて、私は授業の時間割の都合により主に上級クラスを担当している。生徒の年齢層は高校生から老人までととても広い。そして目的も様々である。授業は会話中心に進められ、上級クラスでも読み書きをするのはまだ難しい。日本語の発音は比較的簡単だが、読み書きに関しては3種類の文字があることから難しいと言われがちである。アルファベットしか使わないフランス人からしたら難易度が高いと感じるのも当然である。上級クラスでは、動詞の活用の復習を元に単文作成や日本語表現を勉強している。日本語についてフランス語でどのように説明するか、またはフランス語をどのように日本語に翻訳するか、とても考えさせられる。フランス語を日本語に(またはその逆も)、できるだけ近いニュアンスで翻訳することの難しさを改めて痛感している。日本人の私ですら日本語の単語全てを知っているわけではないため、日本語を100%理解できるわけではない。“言語に完璧はない”ということを語学学校のアシスタントをして気付かされ、言語の深さを思い知った。今月に1度、私が講師として授業を行うことになっている。今までは私がフランス人からフランス語を教わる側だったのに対し、今ではフランス人に日本語を教える立場になった。留学前の自分は、自分が教える側になるなんて想像もしていなかった。こういった貴重な経験を元に、更に自分の視野を広げていきたい。

4月の最初の日曜日は、pâques(パック)と呼ばれるキリスト教の行事の中で最も大切な行事の日だった。復活祭ともいい、キリストの復活を祝うために、卵の形をしたチョコレートや伝統料理である子羊の肉料理を食べるそうだ。
この写真はマダムからパックのためにいただいた、アヴィニョンで有名なショコラティエのチョコレートである。
夕日に照らされるモンサンミッシェル。フランス観光といったら外せない観光地。
私が今まで訪れた教会の中で1番お気に入りの教会“サントシャペル”。
日を浴びたステンドグラスがとてもきれい。
バカンスに訪れたヴェネツィア。私が訪れた前日に雪が降ったそうで、至る所に雪が積もっていたため、とても風情がありどこを見ても絶景だった。
イタリアで再び訪れたいスポットである。
フィレンツェで私の1番のお気に入りの観光名所“ポンテベッキョ”。
黄色やオレンジの小さな建物がとてもかわいらしかった。
この橋にはたくさんのお土産屋さんが連なっていた。
ローマのコロッセオにて。日本人観光客の多さに圧倒した。
世界遺産なだけあって見応えがあった。
スペインのグエル公園。雨上がりの夕方、うっすらと虹が架かっていた。
今回の旅行を通してガウディの作品が好きになった。
Aix-en Provence を訪れた時の写真。
日曜日に観光をしたためお店はほとんど閉まっていた・・・残念。
香水で有名なGrasseを訪れた際に、香水作りを体験した。
100 種類以上のオイルから自分の好みのものを選び調合していくという作業だった。
香水工場も見学でき、フランスならではの思い出ができた。

2018年2月5日

これはアヴィニョン大学。すっかり草木の葉が枯れ、冬を感じさせる写真である。夏では昼食を庭でとる学生をよく目にしたが、冬では目にする機会が減った。
快晴の日が続いていたアヴィニョンだが、この日は珍しく空が曇っていた。
12月に入り、ようやく長期滞在許可証を手にすることができた。その時の写真である。本来であれば10月には取得しているはずだったが、2ヶ月も遅れた。友達の中には、この滞在許可証を手に入れるのに半年かかったという子もいる。フランスはとても時間にルーズな国である。手続きが予定通り進まないことは日常茶飯事である。とりあえず、不法滞在にならずに済んで良かった・・・。
 12月は成績に大きく反映される1番大事な期末試験が計7科目あったため、それに向けて勉強に打ち込んでいた。7科目の内容について説明していきたい。まずécrite(筆記)の科目では読解と作文、orale(口頭)ではリスニングと先生との対話、phonétique(発音)では読みと書き、culture et société(文化と社会)ではフランスのことについての筆記試験があった。慣れない試験形式に私は気を張り巡らせていた。私が危惧を抱いていたのはorale(口頭)の先生と対話の試験である。この試験形式は期末試験1度で成績が決まり、且つ先生と社会問題などについて議論しなければならなかったためである。私は“ソーシャルネットワークがもたらす利点と問題点”についてや“音楽は何のために存在するのか”という議題について先生と論じ合ったわけだが、日本語でも論じ合うのは難しい論題だったのではないかと感じた。先生は私の意見を真っ向から批判し、それに対してどう自分の意見を貫き通すか、とても容易ではなかった。試験が全て終わると緊張の糸が切れた。今振り返ってみるとテスト期間は過酷であったが、あの時の努力がこうして今の自分の自信に繋がっているように思う。
 さて2学期の授業に関してだが、現在は語学学校を離れ、大学の授業を履修することを望んでいる。留学生が授業を履修する際には手続きが必要であり、今はその手続きの途中段階である。アヴィニョン大学の国際交流センターの担当者や学部長の方と、履修科目についての相談を重ねている。今学期は語学の勉強だけでなく、留学生活をより実りのあるものにするため、多くのことに挑戦していこうと考えている。
期末試験終了後にクラスメイトと撮った写真。左から韓国人、中国人、ポーランド人。
1学期を通して様々な国の友達ができた。
こうして18人のクラスメイト達に巡り会えたことに感謝している。
学期末に語学学校の生徒全員と先生方が集まってrepas de noël (クリスマスの食事会)をした。各自料理を持ち寄るということで、私はスイートポテト(gâteau de patates douces)を手作りして持参した。クリスマスのため、クリスマス仕様に。

ホストファミリー、娘のÉva(エヴァ)とイルミネーションを背景にパシャリ。
まだ14歳。外見も中身もとても大人。いつか日本に旅行に来たら案内することを約束した。

私のホームステイ先のマダムは私の勉強面のことまで常に気にかけてくれ、「今日は何を勉強したの?」「ちゃんと理解できた?」と声をかけてくれる。理解できなかったことや解けなかった問題は、夕食後にマダムに教わることが日課になっている。マダムは小学校の教師を勤めていることもあり、簡単な単語を使って分かりやすく説明をしてくれる。語学力が伸び悩んでいた時期に、私を励まし続けてくれたマダムを始めとするホストファミリーには、生活面や勉強面だけでなく、メンタル面でも大きく支えられていると熟々身にしみている。

“hotel de ville”というためホテルと勘違いしそうになるが、これは市役所である。
クリスマスの時期にはこの市役所の前にアイススケートが開設される。

私が5ヶ月間、ホームステイ生活をして感じた、日本人とフランス人の生活スタイルや価値観の違いについて語っていきたい。まず家庭によって変わってくるが、私の家庭では洗濯は週に1回しか回さない。フランス人は日本人に比べて洗濯する頻度は圧倒的に少ない。そのため最低一週間分の衣類の持ち合わせが必要である。しかしフランス人は1日着た洋服を「1回しか着ていないから洗う必要はない。」と言って洗濯機に入れない。その服を2,3日着てからようやく洗濯するという。レストランや学校の椅子は必ずといっていいほど汚れている。そんな椅子に腰掛けた服を洗わないというのは、私からしたら“C’est incroyable!(信じられない)”ことだ。また洗濯機は2時間くらいずっと回っているため、洗濯後の服はバリバリに堅くなっていることがある。この時、お気に入りの服を持って来なくて良かったと心底思う。買ったばかりのストッキングも1回洗濯しただけで伝染してしまう。それからは、繊細な素材の服やニットなどは必ずネットに入れるようにしている。さらにフランス人は毎日シャワーを浴びるが、洗うのは身体のみで、シャンプーは大体3日~5日に1度しかしないそうだ。そのためフランス人は、毎日きちんと全身を洗う日本人のことを“清潔感がある”“綺麗好きだ”と言う。頭では理解していたが、それぞれの国によって普通の価値基準は極めて違うということを直に感じている。

街中にはクリスマスに向けたイルミネーションが飾られ、marché de noël (クリスマスマーケット)があちこちで開催された。また、普段の日曜日はパン屋さんやレストラン以外のお店は閉店しているため大通りですら閑散しているが、クリスマス前の日曜日はほとんどのお店が開店していて、プレゼントを買おうと多くの人々が大通りを行き交っていた。フランスのクリスマスは日本とは違い、キリスト教を強く感じさせるイベントであったように思う。私のホストファミリーはキリスト教信者ではないため、クリスマスに向けた特別なデコレーションはしていなかった。反対に、キリスト教徒はキリスト生誕のシーンを再現している“crèche de noël”を家の中や教会に飾るという。始まりはフランス革命の頃であり、フランスのマルセイユを拠点にプロヴァンス地方の家庭で飾られるようになり、フランス一帯に広がったという。クレッシュとは、粘土を焼いて職人によって作られるサントン人形を並べたものである。サントン人形とは小さな聖人(petit saint)を意味している。この伝統は今でも人々の中に根付いていて、クリスマスツリーに次いで欠かせない飾りだそうだ。
これがその“crèche de noël”。
マルセイユのクリスマスマーケットに見本として展示されていたものである。
完成度の高さに圧倒してしまった。1つ1つのオブジェを飾り、このクレッシュを
完成させていくが、このクレッシュにはどのくらいの時間を費やしたのか気になった。
これはクレッシュに飾るサントン人形を販売しているお店の写真。
1つ1つ手作りのため、よく見ると形が違っていた。この豊富な種類の人形だが、それぞれに意味があるという。
2月に入り暖かい日が続き、徐々に春が近づいてきていることを感じる。花粉の飛ぶ時期が始まり、鼻炎薬とティッシュが必需品に加わった。特にアヴィニョンにはミストラルという南仏の風が吹くためか、日本にいた頃よりも花粉症の症状が酷いように思う。マスクを着用するなど対策が欠かせない。フランスでは桜や梅の花に似たアーモンドの花が今月末から咲き始めるそうなので、私はそれを心待ちにしている。
雨上がりの空とパレデパップ(アヴィニョン教皇庁)。
日曜日、アヴィニョンの住民は無料で入館できるので何度か気晴らしに歩を運んでいる。
パレデパップの庭からの写真。これといってキレイな景色ではないが、何かの壁に直面した時はこの眺めを見て気持ちを入れ替えている。

2017年12月4日

気温が急激に下がり、冬を肌で感じられるようになった。アヴィニョンには“Mistral(ミストラル)”という名の風が吹く。これはフランスの南東部に吹く乾燥した強い北風のことである。寒い上に冷たい風が吹くため、防寒対策は必須である。学校や家にはショファージュといったフランスの暖房器具が設置されていて、冬はこれで乗り切るそうだ。しかし部屋全体が温かくなるまでに時間がかかる上に、部屋も大して暖まるわけではない。フランスでは石やコンクリートで造られた家が多く、夏は涼しく快適に過ごせるものの、冬は家の中でもとても寒くセーターなどの下に何枚か着込んで過ごしている。この時期はこたつやストーブ、エアコンがとても恋しくなる。フランスにはまだまだエアコンは普及していなく、室内の温度調節といった概念がそもそもないように思われる。こういった面から日本は進んでいることを改めて知る。
 
 フランスでは街中でSDF(ホームレス)を見かける機会が日本に比べて圧倒的に多い。その原因として失業率の高さが挙げられる。貧富の差が激しいのもこれが原因の1つである。至る所に設置されているゴミ箱を漁るSDF達の姿を目にした時、私は言葉を失ってしまった。ゴミを漁る人たちの中には、私と同年代と思われる人や小さな子供もいたからである。とても心が痛い情景であった。また先月の下旬に、登校中に危うく盗難に遭うところだった。そこは有名な大通りで人も多く行き交っているため、私自身油断をしていた。私の後ろで静かにリュックが開く音がして、嫌な予感がした私は咄嗟に振り向いた。すると私の後ろを3人の子供達が歩いていたが、私と目が合うとすぐに走り去っていった。リュックは少し開けられた形跡があり、中身を確認すると盗まれた物は何もなかった。もし気付かなかったら貴重品は間違いなく盗まれていただろう。幸い盗難に遭わずに済んだが、悲しいことは子供達が盗みを働かせようとしていたことである。フランスと聞いて、美食の国や芸術やファッションの最先端などと連想させる人が多いと思うが、その裏腹にはこういった心苦しい事情もあるということを肝に銘じておかなければならないと感じた。これはフランスの大きな課題である。
 
語学学校の授業では月に1度試験があるため、2回の試験をついこの間終えたばかりだが、休む間もなく学期末試験を目の前にしている。最初の頃に比べ授業の進みは早く、また内容も段々と難しくなってきている。私のクラスには、スペイン語を話す人が半数近くいる。スペイン語とフランス語はベースがラテン語であるため、文法や単語が似ているらしく、スペイン語を話せるクラスメイト達はフランス語の習得が早い。一方アジア人にとってフランスは語全く違った言語であるため、追いつくのに日々必死である。筆記に関しては、日本から持参したテキストを元に勉強してきたが、それだけでは物足りずワンランク上のテキストを購入した。また文法や読解だけでなくリスニングも強くするために、テレビや映画などを観る機会を増やし、耳を慣らすようにしている。最近ではフランスのラジオアプリを携帯に取り入れ、登下校中や就寝前に聴いている。
文化の授業で、日本の四季を元に伝統行事についてプレゼンテーションで発表した。約15分間クラスメイトの前で話すのは初めてだったため、予想以上に肩に力が入ってしまった。パワーポイントや原稿を作るのに予想以上に時間がかかり、最初は億劫に感じていたプレゼンテーションであったが、先生を含めた全員が興味津々で私の発表を聴いてくれたため終えた後にやり甲斐を感じることができた。テスト期間とプレゼンテーションの発表の期間に何度か体調を崩してしまい、体力とメンタル共に辛い時期があった。しかしテストで結果を残せたり、プレゼンテーションの発表でやり甲斐を感じたりしたことで、また次も頑張ろうと前に踏み出すことができた。辛くて苦しいことから逃げたくなることもあるが、全て今後自分の生きていく糧になると信じている。またこの経験は今しか体験できないものだと思い、1日1日を無駄のないように日々生活している。
 
 アヴィニョンは小さい街だが頻繁にイベントを開催している。イベントが開催される前には街中に張り紙が貼られ、それを見て街中の多くの人々がイベントを心待ちにしている。アヴィニョンの人々は1つ1つのイベントを大切にしているように思える。
ここ最近で行われたイベントについて紹介していきたい。11月16日はボジョレーヌーヴォーの解禁日として日本でも話題になった。アヴィニョンでは、Rue de la République(レピュブリック通り)でパレードが行われ、後にPlace de l’Horloge(オルロージュ広場)でワインの試飲会が行われた。これは毎年11月の第3木曜日に開催される、その年に作られた若いワインの到来を祝うためのイベントである。
このテントの中でワインの試飲会が行われる。ワインの他に軽食も用意されていた。テントの中は大勢の人で賑わい、全体的に年齢層は高めであった。この場所以外でもワインを試飲できる広場があった。
5ユーロでこのグラスと5枚のコインを購入することができ、コイン1枚でワインを1杯試飲できるため、計5回試飲できる。ワイングラスに書かれている“Côtes du Rhône(コートデュローヌ)”とは、フランス南部にあるワイン広域の名称のことである。ローヌ川に面していることからこう名付けられたという。
先月私の誕生日があったため、家に友達を招待しホストファミリーにお祝いをしてもらった。これはレモンタルトの上にメレンゲが乗ったケーキである。
今月の1日に行われたイルミネーション点灯式のイベントの写真である。これはショーや劇を展開する会社が主催したストリートシアターである。このキャラクターは妖精をイメージして造られたそうだ。
先日近くの美術館で新作品の展示会があったため足を運んだ。
今回はこの画家の作品が中心に展示されていた。この画家が描く作品は無表情や悲しい表情をしたものが多く、何を伝えようとしているのか感じ取るのが難しかった。それぞれの作品から数知れないほどの想像が生まれるが、“芸術には正解がない”というから芸術は奥深いとしみじみ感じる。私は美術館を訪れる際には必ず気に入った作品を写真に収めるようにしている。それがこの写真である。
私のお気に入りの雑貨屋さん。家から学校までの道中にあることとポストカードの種類が豊富なため、週に何度か足を向けている。

2017年10月4日

私の留学生活がスタートを切ってから1ヶ月が経過し、朝晩は涼しく感じられるようになった。この1ヶ月は色々な手続きに追われ、日々慣れないことばかりであっという間に過ぎていったように思う。
アヴィニョン大学付属の語学学校の授業も始まり、ようやく慣れてきた頃である。私は中級のB1クラスに配属され、週に10コマの授業を受けている。少人数で構成されているとはいえ、私のクラスの生徒は17人で、A1,A2クラスから上がってきた人が大半である。クラスメイトは高校生や大学生といった学生~主婦までと年齢層が広く、国籍も様々である。語学力を伸ばすといった目標は同じでも、「フランスの大学に入学するため」「フランスで働くため」「フランスで生活していくため」など、目的はバラバラである。授業は口頭、筆記、文化の3つに分かれていて、口頭や文化の授業ではたくさんの意見が飛び交い、日本の授業を基準にしてきた私は圧倒されてしまった。語彙力の豊富さや発言力を目の当たりにして焦りを感じた。筆記の授業では文法と長文読解を中心に行う。文法の授業では数多くの問題を解いた後に先生が解説していく。長文読解の授業では辞書の使用が認められていないため、分からない語句に遭遇する度に語彙力の乏しさを痛感する。文化の授業では配布される資料を元に、自国のことについてそれぞれ言及していく。毎回テーマが変わるため予習して授業に臨むことができず、その場で自分の限られたボキャブラリーの中から言葉を選び語らなければならない。そのため他の授業よりも一段と気を張っている授業である。帰宅してからは授業中に出てきた分からない単語を覚えることや課題に取りかかるなどしているうちに時間が過ぎていく。月に1度試験があるため、授業の復習は欠かせない。
アヴィニョン大学の正面玄関。中庭にはキャンパスライフを満喫する学生たち。
フランスは日本に比べ、快晴の日が多いように思う。澄んだ空がとてもきれい。
私は現在ホームステイをしている。私がホームステイにした決め手として、ホストファミリーと会話をすることでリスニング力や語彙力、コミュニケーション能力の向上につながると考えたためである。家から大学までは徒歩15分とアクセスが良く、またアヴィニョン祭りが開催される大通りが近くにあるため、生活用品や食料品などの調達にはとても便利である。アヴィニョンはフランスの中でも比較的に治安が良い所であり、城壁内には美術館や映画館からスーパーまでが揃っていて且つ徒歩圏内にあるため生活する上でとても快適である。また日本人留学生が少ないことから、フランス語を学ぶ環境に適している。
 
日本からフランス宛に送った荷物は1ヶ月過ぎても届くことはなく、追跡したところ既に日本に戻っていた。その理由は“宛名が不明“のためであったが一字一句間違いはなかった。不在票も確認できなかったため、どうやら宅急便は私の家まで来ることなく荷物を日本に返送したと思われる。先進国のフランスではあるが、郵便に関しては届かないことは稀ではないようだ。今回の件を経て、フランス宛に荷物を送る時は届かないことも考慮に入れて吟味しようと思っている。
 
今月の17日(土)、18日(日)は文化遺産の日で、フランスの公的建物や名所旧跡、美術館などが無料で見学できると耳にしたため、アヴィニョン城壁内にあるいくつかの美術館を見て回った。アヴィニョンの城壁内には10近くの美術館があり、18世紀の宮殿の部屋を再現した、貴族の優雅な生活様式を見学できるところや、プロジェクションを利用した現代的な作品を展示しているところなど、美術館によって特色は多様であった。どの美術館も規模はさほど大きくなく、2時間あれば見終えてしまう程だった。作品を見ていくうちに多くの疑問が生じ、芸術の奥深さを感じた。日本に住んでいた頃は美術館に自ら足を運んだことはなかったが、フランスにいると美術館に興味が湧き行ってみたくなった。通常では入場料が8ユーロかかるところを無料で見学できるので、美術館を訪れる良い機会である。
 この翌週、私はパレデパップ(アヴィニョン教皇庁)で開催されるイルミネーションを観に行った。アヴィニョンの歴史やパレデパップが建設される過程を、約40分間のプロジェクションマッピングで楽しんだ。日本ではイルミネーションといえば冬に行われるのが一般的だが、このイルミネーションは夏限定で開催されている。冬にはどういったイベントがあるのか楽しみである。
パレデパップ(アヴィニョン教皇庁)にて夏限定で開催されるイルミネーション。
日本でこういったプロジェクションマッピングを目にする機会が少なかったのでとても新鮮だった。
イルミネーションを観に行ったメンバー。学部代表の友達とフランス人の友達。
土曜日だったため多くの人で賑わっていた。