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学長ブログ

2022.10.11

ラグビー部とトンガとの「絆」

 令和4年9月15日、日本大学ラグビー部によるトンガ王国への災害復興支援金の贈呈式が日本大学会館で行われ、私は林真理子理事長、澤田康広副学長(学生担当)とともに出席しました。
 本学ラグビー部は、同年1月15日のトンガ王国フンガトンガ・フンガハアバイ海底火山(首都ヌムアロファの北約65キロに位置)の大規模噴火による大きな被害の発生を受け、同国出身の在学生・卒業生らが中心となって「トンガ王国支援プロジェクト」を立ち上げました。部員や教職員ら、多くの関係者の賛同がありましたが、自ら考えて行動したこと、そしてそのボランティア精神に、心から敬意を表します。
 本プロジェクトで集められた支援金は同部の中野克己監督から、大学役員からの支援金は澤田副学長から、また、理事長と私からもそれぞれ、トンガ王国のテヴィタ・スカ・マンギシ駐日特命全権大使にお渡ししました。
 贈呈式の通訳を担当して下さったのは、ラグビー部の元キャプテンで、同国出身のタウファ統悦(トウエツ)さんです。同国の高校を卒業後、2001年に本学に入学し、卒業後の2005年には近鉄ライナーズに加入しました。その後、ワールドカップ2011をはじめ数々の日本代表に選出され、引退後は大阪学院大学ラグビー部のコーチ、さらには日本開催となったワールドカップ2019ではトンガ代表の「リエゾン」に就任されました。現在は花園近鉄ライナーズでアンバサダーを務めておられます。
 先述の「リエゾン」とは「つながり、橋渡し」を意味するフランス語で、タウファさんは、同大会でトンガ代表に帯同し、世話役として献身的にチームをサポートされました。特に、日本での開催であったことから、通訳としても大きな役割を果たされましたが、実のところ、2000年にはじめて来日した際は、まったく日本語も日本の文化も分からなかったそうです。しかし、ラグビー部の学生・大学の同級生のサポートもあり、日本語も順調に修得して大学も 4年で卒業されました。2006年には日本に帰化し、いまや、同僚から日本人以上に日本人らしい魂を持っていると評される同氏ですが、競技だけでなく言語や文化の面においてもどれほどの努力をされたかは計り知れません。
 本学ラグビー部は、1928年(昭和3年)の創部で、94年の歴史があります。関東大学リーグ戦1部に所属し、昨年度は2位となり、大学選手権でもベスト8に入っています。精神的にも肉体的にもたくましい選手たちの今シーズンの戦いは、すでにはじまっています。日大生の仲間として、学生のみなさんにも、心からの声援を届けていただきたいと思います。