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学長ブログ

2022.10.28

特別研究の交付証書授与式での思い

 令和4年9月29日、日本大学会館で令和4年度の「日本大学特別研究」交付証書授与式が行われました。
 本特別研究は、本学のスケールメリットを活かした独創的かつ先駆的な成果が期待される研究を助成するもので、毎年2件の研究課題にそれぞれ年間5000万円を2年間(最大1億円)交付しています。昨年度までは「理事長・学長特別研究」と称されていましたが、今年度から名称が変更されました。
 今回は7件の応募申請があり、書面審査及びヒアリング審査を経て2件の研究が採択されました。
 一つ目の研究は、理工学部の山中新太郎教授を研究代表者とし、理工学部、芸術学部、危機管理学部、工学部の計11名で構成された「日本大学災害ソサエティの構築と災害用パーソナル・アラートの研究開発」です。本研究では、災害研究プラットフォームの構築、先駆的な災害研究の推進、そして社会実装システムである「災害用パーソナル・アラートver.1」の開発等が行われることとなっています。
 二つ目は、医学部の山下裕玄教授を代表とし、医学部、文理学部、芸術学部、理工学部、生産工学部、工学部の計17名で構成された「執刀医と手術助手のインターラクションに基づいた次世代型手術システムの開発基盤研究」です。本研究ではNU協働型鏡視下手術助手ロボットならびに腸管内手術助手マイクロロボットの開発が行われますが、外科医の思考を可視化・定量化し、ロボットでの再現に向けたビッグデータの収集・解析、さらにAI技術の開発も含まれています。
 大学の役割について、「教育基本法」では、「深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供すること」とし、「自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」としていますが(第7条第1項及び第2項)、二つの研究は、まさにこうした大学本来の役割に寄与するものです。私は、交付証書の授与にあたって、本学が新たな時代を切り拓き、飛躍するためには、質の高い研究活動や若手研究者の育成等が不可欠であること、二つの研究にはそうした観点からも大いに期待していることを伝えました。
 大学での学びは「学習」ではなく「学修」と記されます。ただ「習う」だけでなく自身のものとして「修める」ことが必要であり、そうして修得した成果を、研究としてさらに昇華させることができるのです。
 学生のみなさんには、文系・理系の別や、基礎研究か応用研究かに関わらず、興味のある課題に果敢に取組みながら学術的な真理の解明を楽しんでほしいと願っています。その挑戦に、各学部の教員方は、喜んでサポートしてまいります。

日本大学学長
酒井 健夫