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学長ブログ

2023.3.31

第12号 卒業の別れは再会を期するために

 私は、令和5年3月25日の令和四年度日本大学卒業式で、卒業生の皆さんに次のようなことをお話しました。
 「令和元年から始まった世界的な新型コロナウイルス感染症の流行は、講義や実習、研究活動に影響を与え、オンライン授業の実施、同級生や先輩、後輩との交流が減少し、「学ぶ」モチベーションが下がることも多かったことでしょう。このような苦境にあっても、努力と頑張りによって、卒業を迎えられたことに敬意を表します。本学も、教職員が一体となって全力で教育・研究環境の確保に当たりましたことを、御理解いただければ幸いです。この貴重な経験を、皆さん方の今後の人生に役立ててください。
 また、ここ数年にわたり不祥事で、卒業生や御家族に御心配と御迷惑をお掛けしたことに、おわびを申し上げます。昨年7月1日に、日本大学の新体制が発足し、現在、本学では信頼回復に向け、学内外の声に耳を傾け、「教学優先」の再生・復興に取り組んでおり、必ず皆さんの誇りとなる日本大学になることをお約束いたします。
 今日の社会は、気候変動、環境汚染、不安定な国際情勢、景気の低迷、さらには感染症等、多くの課題が山積し、しかも多様な考え方や価値観が複雑に絡み合っています。そうした中では、「自主創造」を体現し、幅広い知識と技術、「総合知」を持った人材、すなわち日本大学の卒業生が、社会の持続的発展のために必要とされます。加えて、更なるスキルアップを望むなら、卒後教育や生涯教育ができる場所を見つけなければなりません。日本大学は、ホームページを介して役立つニュースや学術情報を、公開講座や講演を通して卒業生の皆さんを応援する役割を果たして参ります。
 社会情勢が厳しいことは現実であり、こうした状況下でも、いや厳しい状況であるからこそ、皆さんは、自分を見つめ、自身がやりたいこと、出来ること、足りないことを明確にしなければなりません。卒業を機に、是非、改めて自身の志を確認してください。その一方で、自分を受け入れてくれる社会の実情や動向、仕組みを十分に知ってください。また、生涯に渡り自己研鑽に励んでください。皆さん方が活躍できる場所が必ず待っています。その場所で実力を発揮してください。
 卒業の別れは、永遠の別れではありません。お互いに成長して再会すること期待する出発の日です。大きく、強く、羽ばたいてください。」
日本大学学長
酒井 健夫