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学長ブログ

2023.7.14

第21号 ダイバーシティ推進宣言に伴うシンポジウムに参加して

 2023年6月25日、日本大学会館で開催された『日本大学ダイバーシティ推進宣言』に伴う記念のシンポジウムに参加しました。500名を超える参加者による熱気のあるシンポジウムでした。
 初めに講演された東海国立大学機構長の松尾清一先生による『アカデミアにおけるジェンダー平等、日本の動きと東海国立大学機構の取組み』、及び東京大学理事で副学長の林 香里先生による『東京大学のダイバーシティ推進』は、それぞれの大学における組織的な活動推進状況と今後の課題について、具体例等を交えた丁寧なお話しを頂き、ダイバーシティを推進する上で大変参考になりました。
 次いで本学文理学部長の岡 隆先生による『偏見と差別の心理科学からの提案、自分の中の「ステレオタイプ」と向き合う』及びスポーツ科学部の近藤克之先生の『アダプテッド・スポーツの実践から考える多様性』のご講演があり、最後は、本学のダイバーシティ推進委員会委員長の渡辺美代子常務理事による『日本大学ダイバーシティ推進宣言』の説明でした。宣言の骨子は、多様な人を受け入れ、多様な文化と学び方・働き方を尊重し、多様な分野の教育と研究の推進、あらゆる面での多様性の推進です。本学は、この推進宣言に基づいて活動したいと考えています。シンポジウムの後半は、学部長の先生方による『学部長視点のダイバーシティ推進』、学生の皆さんによる『学生視点のダイバーシティ推進』についてのパネルディスカッションがありました。
 開会の挨拶で、私は次のようなことをお話しました。「今からおよそ100年前の1920年。日本大学は女子学生の受け入れを開始いたしました。私立大学としては東洋大学に次ぎ全国で2番目の早さでした。当時は国内で大正デモクラシーによる自由主義の風潮が高まり、女性の自立が急速に進む時代でした。後に本学の第3代総長に就任された山岡萬之助先生の強いご意向で、実現したのです。山岡先生はご自身のドイツ留学での経験を基に、男女共学を主導され、当時の記録によると約100名の女子学生が本学に入学し、全国で最も多い女子入学者数であったと言われています。
 近年でも、平成20~23年度に、公募型事業である「科学技術振興調整費」を活用した次世代女性研究者の継続的育成キャリアウェイ整備事業において、当時の本学総長を務めた私は、「キャリアウェイ・ユニバーサル化日大モデル」を提唱し、女性研究者の活躍を推進して参りました。特に平成21年12月4日には、早稲田大学、慶應義塾大学、日本女子大学、津田塾大学等と共に本学を含め10大学が、男女共同参画の推進のための共同宣言に調印し、日本大学は男女共同参画については大変先進的な活動を行ってまいりました。
 本学では、現在、付属校も含めると10万人以上の学生・生徒・児童・園児が在籍していますが、最高齢は通信教育部の93歳、最年少は認定こども園の6か月齢の園児であり、年齢の多様性に富んだ構成です。今後、本学は教職員及び学生の皆さんと一緒に、さらに国籍、身体及び精神的障害、ジェンダー、職業等の分野で、多様性の在り方について考えていきたいと思います。特に令和6年4月施行の改正障害者差別解消法に対しては、真摯に取り組んでまいります。
 学生の皆さん、本年4月28日に表明された『日本大学ダイバーシティ推進宣言』を身近なものとして、教職員と共に活動を進めてまいりましょう。
 
日本大学学長
酒井 健夫