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学長ブログ

2023.10.12

第25号 GPS-Academicを活用した分析報告会に参加して

 高等教育機関としての大学教育の質保証は、極めて重要であり、本学においても令和2年度に『日本大学内部質保証に関する方針』が制定されました。しかしこれまで、全学的な教育活動の検証や見直し、改善の取組みは進展していませんでした。そこで、大学としての教育活動の検証方針である『アセスメント・ポリシー』を策定し、学生の学修成果を把握するための『GPS-Academic(外部アセスメント・テスト)』の導入を、令和5年2月3日(金)開催の学部長会議で決定しました。
 このGPS-Academicは、株式会社ベネッセi-キャリア社が開発したオンラインテストで、学生の問題解決能力としての思考力やコミュニケーション力を評価することができます。令和5年度のGPS-Academicは、全国の大学200校、26万人の学生が受検することが予定されており、データ量が豊富なことが特徴です。本学では、これまでに危機管理学部及びスポーツ科学部が実施していましたが、本年度から16学部及び短期大学部の全学生を対象に導入しました。この度、その受検結果の分析が終了したので、令和5年9月22日(金)に日本大学会館において、分析報告会が開催され、私も学長として出席しました。
 同報告会では、本学の各学部で得られたデータを用いて、ベネッセi-キャリア社から『全国と比較した日本大学学生の問題解決能力における特徴』について、また本学の教学DX戦略委員会の中村文紀委員長から『D-CASの分析結果からみる令和5年度入学者の実像』について、講演がありました。
 登録全学生68,326名のうち受検した学生は38,981名で、受検率は57.1%でした。そのうち、新入生は登録学生16,901名のうち13,093名が受検し、受検率は77.5%でした。受検結果から、一年生の問題解決能力は、医学部では思考力、姿勢態度、経験の平均スコアが相対的に高い傾向がみられました。薬学部では思考力の平均スコアが、また芸術学部では協働的思考力や対人関係の経験の平均スコアが、更にスポーツ科学部ではリーダーシップやコラボレーションの平均スコアが、相対的に高い傾向がみられました。
 学長ブログ第24号でお伝えしましたが、本学の教学DX推進計画では、各種の収集データを分析し、データ駆動型教育と個別最適化に向けた支援を進めています。ここで紹介しましたGPS-Academicは、各学部の学生の現在の資質・能力の把握や確認ができ、本学が目指す『オーダーメイド型サポート』の実践に資するものです。本年度は、4月のガイダンス時に受検を行いましたので、年度当初の学生の資質・能力・意識等の状況を把握することができ、その後の指導改善や新施策の検討にも活用しています。
 今後、本データを積極的に活用するためには、信頼できる受検・回答数の確保が重要で、次年度以降は学生の皆さんがより積極的に受検して下さることが望まれます。学生の皆さん、GPS-Academicは皆さんの学修成果の把握に役に立つプロジェクトです。データ提供、各種調査等への回答率向上やDXツールの利活用推進にご協力ください。
 
日本大学学長
酒井 健夫