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学長ブログ

2023.10.25

第26号 日本大学理工学部発の災害用パーソナル・アラート(PAD)に関する佐野市・佐野日本大学学園・本学との支援協定の締結を終えて

 災害用パーソナル・アラート(PAD)は、災害時に個人の状況に合わせた避難行動を支援するシステムです。災害情報は、多くの場合、国や県または市町村などの行政機関から発せられ、住民はその情報に基づいて、個々で避難先や避難経路、また避難時期を判断しています。しかし、混乱している災害時に個人の判断ミスが生じると、大きな事故につながります。このPADは予めスマートフォン等にインストールすることにより、災害発生時に個人の状況に合わせて、避難行動指示や避難先への誘導を支援するシステムです。
 令和元年の東日本台風(台風19号)により甚大な被害を被った栃木県佐野市は、住民の避難や防災訓練、また災害時の行政対応やリスクマネジメント、更に災害情報の収集と提供、避難誘導等のシステムを開発し構築することが、災害対策として必要であると考え、学校法人佐野日本大学学園及び本学の研究推進部と共に、PADに関する研究を進めることとなりました。
 令和5年10月2日(月)、佐野市役所の市長公室で、金子裕市長、学校法人佐野日本大学学園長谷川弘理事長、日本大学学長の私が出席し、『佐野市における地域防災に係る研究及び住民・行政支援に関する協定』の締結式が行われました。
 本協定は、本学理工学部の山中新太郎教授を研究代表者とし、同学部の浅井朋彦(ともひこ)教授らで構成される日本大学特別研究プロジェクト『日本大学災害ソサイエティの構築と災害用パーソナル・アラートの研究開発』の実証研究の推進及びそれによる地域支援についてのものであります。
 その中核は、佐野市の防災能力の向上、高大連携及び地域貢献等を介した産官学協働による災害科学技術研究の推進、豪雨災害をはじめ自然災害に対する予測や住民避難、防災教育の推進等、地域社会への貢献を目指すものです。
 本学としましては、本協定の締結を通じ、自然災害が多発化、大型化する中で、台風をはじめとした自然災害に関する予測、避難、復旧・復興などの地域防災に係る取組の推進と発展を図り、地域社会の安全性の確保と持続的発展、また防災教育・研究の発展に全力で取り組んでまいります。私は、本協定の成果が官学による我が国の地域防災モデルになることを確信しています。
 このように日本大学特別研究プロジェクトの成果が、地域行政や防災計画に、また教育現場に役立つことは、大変うれしいことであります。今後も本学各学部の教職員及び大学院学生が参画した研究プロジェクトが社会に役立つことを願っています。 
 
日本大学学長
酒井 健夫