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学長ブログ

2024.2.29

第35号 SDGsシンポジウムの開催

 皆さん、SDGs(Sustainable Development Goals)はご存知ですね。日本語では「持続可能な開発目標」と言われています。このSDGsは2015年9月の国連サミットで、193カ国の全会一致で採択され、2030年までに達成すべき「持続可能で、よりよい世界を目指す17の国際目標(ゴール)」が定められています。
 そのゴールとは、貧困、飢餓、保健福祉、教育、ジェンダー、安全な水とトイレ、クリーンエネルギー、成長と雇用、イノベーション、不平等、都市、生産と消費、気候変動、海洋資源、陸上資源、平和と公正、パートナーシップの17分野にわたる問題の解決です。
 この国際目標を推進する中で、2023年はSDGsの「中間年」でありました。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行、甚大化する地球温暖化、大規模自然災害、環境汚染、地域紛争や不安定な国際情勢、食糧やエネルギー危機等、地球規模の課題が山積し、SDGsの達成に向けた取組みを一層加速する必要性が実感された年でもありました。しかも、日本のSDGsの進捗状況は、世界で21番目と言われていて、今後一層の進展が強く求められています。
 SDGsは、国内の今日的な課題を全て包含しています。身近な課題を挙げただけでも、感染症の流行阻止、薬剤耐性菌の発現抑制、大規模自然災害への対策、甚大化する地球温暖化対策、海洋プラスチックによる環境汚染防止、カーボンニュートラル対策、インフラの老朽化対策、耕作放棄地の増大阻止、限界集落、少子高齢化、そしてフードロス対策等、現代社会には多くのSDGsの課題があります。それらの課題を解決し、「持続的発展可能な社会」を実現させるには、「生物多様性」、「人と動植物の共生」を実現しつつ、「人間活動の見直し」が不可欠であると私は考えています。
 一方、日本大学においては、2021年度から2026年度の中期計画で、教学に関する基本方針の、2「教育基盤となる研究の推進」の中の、①独創的・先駆的研究成果の創出とその社会還元の項目で、「持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた研究の推進」を挙げています。そのアクションプランでは、持続的な社会を実現するため、大学が果たす役割は大きく、極めて多様な領域の研究者を備えた日本大学として、力を結集し、自然科学から技術工学、さらには人文・社会科学までの「知」を融合させ、持続可能な社会の実現に貢献できる研究の推進を目指すとしています。
 そうした中で、日本大学総合科学研究所 SDGsプロジェクト推進専門委員会が企画した「令和5年度 日本大学SDGsシンポジウム」が、Web上で2024年2月1日から3月31日まで開催されています。シンポジウムの映像は、基調講演のほか、日本大学のSDGsへの取組みと人材育成について、5つのセッションで先生方から事例が発表されています。世界が、日本が、我々が抱えている課題が、日本大学によって、どのような形で解決に導かれるのか、この日本大学SDGsシンポジウムに、皆さんも参加して、新しい情報を吸収してください。
 
日本大学学長
酒井 健夫