令和6年能登半島地震で被害を受けた皆さまへ

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学長ブログ

2024.3.26

第36号 学長ブログを終えるに際して

 令和5年度の日本大学卒業式が、令和6年3月25日に日本武道館で挙行され、私は日本大学及び同短期大学部の卒業生、また同大学院修了生の皆さんに次のことをお伝えしました。
 皆さんの在学中は、令和元年から令和5年にかけて世界的に流行した新型コロナウイルス感染症の影響を受け、オンラインによる授業、また制約された条件下での実習や研究活動、さらに課外活動や日常生活に大変苦労をされました。友人と対面で接触する機会が極めて少なく、修学へのモチベーションの維持が難しかったと思います。しかし、たゆまぬ努力と頑張りで、所定の課程を卒業、また修了されました。心からお祝い申し上げますとともに、新たな門出に期待を寄せております。
 世界に目を向けますと、民族、宗教、文化の違いによる対立、天然資源の確保や領有権の主張等によって、各地で紛争や内乱、亀裂が生じています。更に甚大化する自然災害や地球温暖化、環境汚染や感染症の流行による我々の生活への影響は大きくなってきています。国内においても、少子高齢化、介護、ジェンダー不平等、農業従事者の高齢化と耕作放棄地の増大、インフラの老朽化、海洋汚染が指摘されています。 
 そうした中で、「自ら学び、自ら考え、自ら道を拓いていく」自主創造を体現し、幅広い教養と「総合知」を持った人材、すなわち日本大学の卒業生が、社会の持続的発展のために今こそ必要とされています。卒業生の皆さんは、それぞれの道に進まれますが、共通して言えることは、全員がそれぞれ大きく成長できる可能性を秘めているということです。新たに進む社会で、自身の可能性に向けて、何事にも積極的に「自主創造」の精神で取り組んでください。自らの長所や適性を見極め、社会の中でどのような役割を果たし、活躍したいのかを真剣に考え、「志」を立ててください。「志」は自身の心に秘めた目標であり、その「志」を達成するために、今成すべきことを考え、それに全力で取り組んでください。
 なお現在、大活躍している大谷翔平選手は高校生の頃から具体的な目標達成シートを作成していたと聞きます。目標達成のためには、こうした工夫の他に、家族や友人、上司や同僚のアドバイスを聴くこと等も必要です。さらに、判断力と倫理観を身に付け、社会人としての自覚を持って下さい。そうすることで、やがて周囲からも認められ、協力が得られ、「志」は実現し、充実した人生を送ることが出来ると確信しています。
 
 私はこの3月末で学長を退任します。在任中、学長ブログを皆さんにお伝えし、皆さんから多くのご意見や提言を頂きました。ありがとうございました。ご意見や提言は、学部や学内の関係部署と共有し、改善に向けて取り組ませていただいています。本稿を終えるにあたり、卒業生、修了生、在学生の皆さんの御活躍と御発展を心よりお祈りいたします。
 
日本大学学長
酒井 健夫