山と空と放射線
本書は登山のド素人がふとしたきっかけで世界最高峰のチョモランマ(英語名エベレスト)に行き、環境放射線の調査をすることになった男の、汗と涙のドキュメントである。
放射化学・放射線防護学を専門とする著者が日本大学エベレスト登山隊の学術調査隊員になった経緯、カトマンズから標高5150メートルのベースキャンプに向かう道中、ベースキャンプや標高6360メートルの前進基地での生活、悪戦苦闘した環境放射線の測定とその結果が、第1部と第2部に書かれている。
第3部は、チョモンランマに行くきっかけとなった航空機乗務員の宇宙線による被爆の問題にメスを入れており、国際線パイロットの年間被爆線量は原発労働者の3倍もある。この職業上の被爆に、いまのところ法の保護は何もない--ときびしく指摘している。
書籍名 | 山と空と放射線 |
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著者名 | 日本大学歯学部助手 野口邦和・著 |
月号 | 1996年秋季号 No.69 |
価格 | 2,060円 |
出版社情報 | 東京都千代田区神田神保町1-30、リベルタ出版 |