本当は知りたくなかったグリム童話
最近、大人にも童話フアンが増えているそうだ。本書はグリム童話の愛読者である著者が「赤ずきん」と、木こり夫婦と2人の子供の物語を描いた「ヘンゼルとグレーテル」の2つの話にさまざまな視点からスポットを当て、これまで「誰も気づかなかったこと」(著者)を浮かび上がらせようとした。
「赤ずきん」では、おばあさんがなぜ孫に赤ずきんをプレゼントしたのか、赤ずきんは本当に女の子か、なぜおばあさんは森の中に1人で住んでいるのか、なぜお父さんが登場しないのか、などの疑問を示す。
また「ヘンゼルとグレーテル」に出て来る「子捨て」は実は「子殺し」であり「子食い」であったりなど、この童話はもっと恐ろしい事実を隠し持っていた点を明らかにしている。ユニークなタイトルもさることながら、大人の目で改めてグリム童話を読み直して見たい気を起こさせる。
書籍名 | 本当は知りたくなかったグリム童話 |
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著者名 | 日本大学芸術学部教授 清水正・著 |
月号 | 1999年夏季号 No.80 |
価格 | 1,500円(税別) |
出版社情報 | 東京都品川区戸越1-6-7、KSS出版 |