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宮崎駿を読む―母性とカオスのファンタジー―

世代を超えて爆発的人気を呼んだアニメ「千と千尋の神隠し」の作者、宮崎駿の主な作品の批評を通じ、宮崎作品の核心に迫っている。

取り上げたのは「千と千尋」はじめ、アニメ「天空の城ラピュタ」、アニメ版とマンガ版の「風の谷のナウシカ」、アニメ「となりのトトロ」と話題作ぞろい。「千と千尋」については、マンガ版「風の谷のナウシカ」で行き着くところまで行き、思想的頂点に達した宮崎が再び“地上の世界”に降りてきて、子供も大人も楽しめるエンターテイメントを作ってくれた、と最大限の評価をする。

宮崎の作品にはドストエフスキーと宮沢賢治の影響が色濃く反映しているとし、ドストエフスキーの作品同様、超1級の「娯楽品」と位置付けている。宮崎を含め日本のマンガの世界では、既に米国での自爆テロのようなことは当たり前のように描かれていた、との分析も興味を引く。

書籍名 宮崎駿を読む―母性とカオスのファンタジー―
著者名 芸術学部教授 清水正 ・著
月号 2002年春季号 No.91
価格 1,200円(税別)
出版社情報 東京都大田区大森中3-11-12、鳥影社